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弁護士コラム Column

医療事故による刑事事件と検察官の判断

2021年04月01日
名古屋丸の内本部事務所  弁護士 渡邊 健司

 先日、無痛分娩による死亡事故で、業務上過失致死罪の疑いをかけられ、検察審査会において不起訴不当との議決がなされていた医師が、再度の捜査を経て再び不起訴となったとの報道がありました。
  犯罪の嫌疑をかけられて検察官送致がなされた場合、検察官は捜査を進め、証拠を集めた上で、裁判において犯罪を証明できるかを検討します。刑事裁判では「疑わしきは被告人の利益」の原則があることから、犯罪があったことは検察官が証明しなければなりません。一般的に検察官としては、有罪か無罪か微妙だ、という程度では起訴せず、ほぼ有罪を証明できるであろうという確信がある場合に起訴に踏み切ると言われています(日本の刑事裁判における有罪率が高いことには、検察官が起訴に慎重であることも影響しています。)。まして医療に関する事件は内容面でも専門性が高く、検察官は一層慎重になると言われています。
  検察官が不起訴の判断をした場合、被害者遺族は検察審査会に審査を求めることができます。検察審査会は一般国民の中からくじで選ばれた11人の検察審査員が、検察官が不起訴としたことの是非を審査する組織です。
  検察審査会で不起訴が不当であるとの議決がなされた場合、検察官は再度捜査を行い、起訴すべきかを再検討しなければなりません。前記の報道の事件では、検察官による再検討の結果、改めて嫌疑が不十分ということで不起訴とされたということになります。
  前記報道の事件について詳細は明らかにされておらず証拠関係も不明です。検察官の判断の当否についてもコメントできませんが、一般に、医療事故について医師が業務上過失致死罪、業務上過失致傷罪の嫌疑をかけられた場合、医師の弁護人としては、まずは検察官において不起訴の判断をしてもらえるよう弁護活動をしていくことになります。そのためには、嫌疑をかけられた医師側においても、検察官を説得するために積極的に医学的知見、証拠を集めて反論を練ることが重要となります。
  当事務所では、医療問題を重点的に取り扱うチームがあり、大学病院への出向経験を有する弁護士も複数在籍しています。医療事故により刑事事件となった場合、刑事事件になりそうな場合には、ぜひご相談いただきたいと思います。

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